郊外の潜在力と暮らし

郊外の潜在力と暮らし

今どこで暮らしていますか?どんな活動をしていますか?
その時々によって変化があるとはいえ、毎日の働き方や活動のうち、一定の労力は生活費の獲得に費やしているかと思います。

家賃や食費などいわゆる生活固定費は、主要な都市部で暮らす程に高くなります。

これは経済成長させるための社会システムのためにそうなっているわけですが、比例して利便性も良くなるようにできています。

実際のところ、人口増加ありきのシステムでしたので、人口減少期に入った今、これからどう変わっていくか注目していくことになりますが、10年20年というスパンの変化になるかと思います。

次に郊外や地方の場合を見てみましょう。

都市部から離れるほどに経済の社会システムもローカルなものになります。
そして、家賃相場など想像するとわかりやすいかと思いますが生活固定費も安くなってきます。
また、食材もご近所の農家からおすそ分けいただいたり、庭が広いので自家菜園できたりということもあります。

これまでの近代日本では、このように都市部に行くほど平均所得が高いという状況でした。
なので地域経済が縮小していく地方から都市部に行こうとなっている事も多かったのかと思います。

ところが、いざ都市部に来て働きだすとはたらけどはたらけどなかなか余裕ができないという状況が起き、徐々に疲弊していく場面も出てきました。

前述のように生活固定費を稼がないと食べていけないからですね。
業種などによりますが、賃金(時給単価)がある程度のラインを超えないと、毎日の多くの時間を労務に費やしてしまいます。

逆に郊外や地方では生活固定費が安いとはいえ、職場が少なかったり給料が低かったりしていることが全体としては多いのではないでしょうか。

ヨーロッパでは人口が少なくても地方の方が豊かなところがたくさんあります。
これは人口が少なくても、一人当たりの生産力があり稼ぎだからです。

なぜ、それができたのかといえば、例えばぶどう園がワインなどのブランディングをしっかり作り上げ、価値を高めることを続けているからです。

日本でもちゃんとできているところはもちろんありますが、自分事として取り組まず地域の和を乱さないとか行政任せで今に至るところの多くは、その場所ならではのモノやコトに価値を作ることができず衰退しています。

ここまで触れてきたことから少し整理をすると、時給単価が上がり平均所得が良くなれば生活費を稼ぐ以外の時間が生まれ、暮らしが良くなっていくということになります。
また、その地域の居心地が良いという理由には人が多くないというのもあったりします。

ということは、郊外や地方で時給単価が高く平均所得を上げることのできる働き方ができれば、自然豊かで人混みに疲れない豊かな暮らしができることになります。

なんて都合の良いことでしょう(笑

ところが最近ではこの都合の良い暮らしを実現している人が増えてきています。
郊外暮らしが難しいというのは、仕事がなくて所得が足りない点が最大の理由かと思います。

つまり、これを突破してる人が登場しているということです。

初めにこの動きが目につき始めたのは、僕の知る範囲ではありますが創作活動系の作家さんでした。もう10年以上前ですが、雑誌を見ていて目につきました。片岡鶴太郎さんや細川元総理など有名な方の話題もあったかと思います。

作家や芸術家の場合、職場がそもそも職住近接できるし、環境からインスピレーションも受けるし、販売は画廊や作品展など違う場所で良いのでなるほどと思いました。昔から地方を拠点にしている人がいるジャンルといえます。

チルチンびとや湘南スタイルなどの雑誌でスローライフや自分らしい暮らしが話題になると、海辺の暮らしがしたいなどライフサイクルにあう地域に移住して、そのジャンルで仕事にする人をみるようになりました。

ボード置き場レンタルやグッズ販売などサーフィン関連のショップや、マリンスポーツをしている人が集まるような飲食店など。

これらの場合は、上手く続いている方もいれば、不慣れな商売で続かないというケースもある様子でした。要は地方で起業したケースであり、ビジネススキルに個人差が出ていたのかと思います。

その場所のコンテンツにフックをかけて、事業化がしっかりできれば、そこに定住していくこともできるわけですが、難易度の高いケースもあり誰でもできるとはならないかと思います。

前述の作家系においても、創作物(=商品)のブランディングができているかとその商品となるコンテンツの販売スキームができているかで収入は変わるわけですが、場所への依存性は移住してその場所にあるコンテンツ(サーフィン需要など)により起業するケースより低いといえます。

そのような流れを見ているうちに、WEB系の雑誌で地方で暮らす特集記事が出てきました。今から10年少々前というところだったかと思います。

WEBサイト制作などの仕事の場合、必ず必要になるのはインターネット接続環境です。これは都市部から整備されていますから、当然都市部でオフィスなど構えるWEBクリエイターが多くいました。

公共wifiやスマホの普及、そして高速回線化と共に、徐々にインターネット接続できるエリアが広範囲になり、現在では山中でも携帯のアンテナが立っていたりします。

僕は岩魚や山女を釣る源流釣りで山深く入るのですが、尾根に上がると携帯が繋がることがあり慌てて電源を落とすことがあります。
せっかく俗世から離れているので^ ^;

少し話がそれましたが、つまりは地方でもインターネット接続環境が整ってきたので、WEBクリエーターの地方暮らしができるようになってきたことが雑誌の特集につながったわけです。
実際のところ、ネットバンクで入出金管理もできますし、メールだけでなくスカイプやzoomで取引先とのやりとりもできます。

いわゆるテレワークは今や普通に行うことができますから、場所に依存しないWEB関係の仕事は地方暮らしのしやすい業種といえます。
生活固定費も抑えられ、自然環境は豊かで新鮮な採れたて野菜をご近所からいただければ申し分ないとなります。

営業についても基本はWEBでできるようであれば、必要に応じて都市部に出向く程度で済ますことができるので、WEBクリエーターだけでなく色々な仕事が考えられます。

このように郊外のポテンシャルを活かして食住×職近接の暮らし方がいろいろと考えられるようになってきました。
一度いろいろと想像(妄想)してみて、良いなというライフスタイルがイメージできたら具体的に検討してみてはいかがでしょうか。